トーベ･ヤンソンのムーミン 楽しいムーミン一家(20) 冒険日記(1)
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レビュー
不朽の手放せ無いを。。白熱光下に現われたその長大な顔面は、解剖台上の少女とは正反対に、死人のように疲れ弛び付いております。そうした表情が黒い髪毛を額に粘り付かせたまま、コメカミをヒクヒクと波打たせつつ、黒装束の中から見下している。
その代り肝心かんじんの「あの女」の事をかえって云い悪にくくしてしまった。
今に看護婦に名前を聞かしてやろう」
以下は私の日記の抜書を一つの報告文体に作り上げたものです。ですから中には彼女に関する貴下の御記憶と重複しているところもありましょう。または貴下の御人格を冒涜するような章句もありましょう。なおまた、敬語を抜きにした記録体に致しましたために、無作法に亙めたものですから。
と思わず口を辷らしたが、恐らくそれが図星だったのであろう。樽の縄を始末していた彼女は、ただ赤面した切りでコソコソと病院に逃げ帰ったようであった。