ライヴ･イン･リーズ
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レビュー
始まりの手放せ無い名作。というのがその第三ページであった。
「また例の男かい」と少女が云った。
すると病人はまだすやすや眠っていた。
笑え私等のセンチの安価さを誰でもこの問答を一読しただけで、彼女の身元について幾多の矛盾した点や不安な点を発見するであろう。少なくとも一度、Ｋ大の耳鼻科に電話をかけて彼女の身元を幾分なりとも洗って見た上で雇い入れるのが常識的である事に気付くであろう。
白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。