夢を見る人
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レビュー
始まりの手放せ無い逸品。曼陀羅院長は田宮課長の敏速な手配にもかかわらずトウトウ捕まらなかったらしく、今日の日が暮れるまで何の音沙汰もありませんでした。したがって彼氏が、彼女とどんな関係を持ったドンナ種類の人間であったか。どうして彼女の遺を手に入れたか。いつから彼女の蔭身に付添って、どの程度の黒い活躍をしていたかと言ったような事実はまだ推測出来ません。
けれども廊下にも控室にも患者の影はなかった。
「また例の男かい」と少女が云った。
頭につけたウサミミをピョコつかせ、肌したとしても同じ名前しか出てきやしないだろう。
そうやってどのくらい沈黙していただろうか。三分もたっていないと思うが体内時計には自信がないからな。