烈火の炎
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レビュー
青春時代の世界的逸品。可哀そうなユリ子は死んで行きます。
松だの石榴ざくろだのの盆栽が五六鉢はち並んでいる傍そばで、島田に結いった若い女が。
それがまた看護婦としては特別器量きりょうが好いので、少女は時々不平な顔をして人を馬鹿にしているなどと云った。
これは意外だった。てっきり彼女かA子さんのどちらかだろうと思っていたのに、よりによって彼女とはな。さすが谷口が目をつけたＡマイナーだけのことはある。僕なんか初対面時には無口で風変わりな部室のアンティークドールくらいにしか思っていなかったのに、さすが目ざといヤツはどこにでもいるようだ。今は違うぜ、僕の彼女に対する印象はこの半年間で大きく様変わりしている。
遅れて現れた二人目を見た僕の肺の中から、空気が一気に漏れ出した効果音だと思ってくれ。