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風光る

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      なつかしの暖かい名作。
       私は彼女に二十円の給料を払っていた。これは決して法外に安い給料とは思わなかったが最近、彼女の功績を大いに認めなければならぬ状態を認めて、姉や妻と寄々相談をしていた次第であったが、折も折、ちょうどそのさ中に、実に奇妙とも不思議とも、たとえようのない事件が彼女を中心にして渦かれていたのであった。
      「それじゃ僕の都合の好いようにしよう」
      その一つの潜くぐりの外へ主人あるじらしい人が出て、如露じょうろで丹念たんねんに往来を濡ぬらしていた。
       いまや僕の気も晴れ晴れとして澄するのも悪くない。
       部外者だよ。お前たちと同じ、困ったときの人数合わせゲストだ。ちょっとその割には、妙に前に出てくるお人だけどさ。

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