ロマンシングサガ
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レビュー
不朽の夢だった逸品。
さらに驚くべき事実は(実は当然の帰結かも知れないが)彼女のお蔭で私の患者がメキメキと激増した事であった。この点、私の開業は非常に恵まれていたと同時に、彼女姫草ユリ子と名のるマネキン兼マスコットに絶大の感謝を払わなければならなかった。受診に来る患者の甲乙丙丁が、何につけても姫草さん姫草さんと尋ね求める態度を見ると、ちょうど臼杵病院の中に姫草ユリ子が開業をしているようで、多少の自信を腕に持っている私も、彼女のこうした外交手腕に対しては大いに謙遜の必要を認めさせられていた次第であった。
その一つの潜くぐりの外へ主人あるじらしい人が出て、如露じょうろで丹念たんねんに往来を濡ぬらしていた。
それにたった一人の知人たる自分が。
彼女の感想を聞きながらこっそり彼女のほうを窺を追っていた。とりたてて彼女を注目しているわけでもなく、ただひたすらにぼんやりしているように見えた。
ここでと言ってくれたら僕はすかさずルーズリーフを破り捨てる計画だったのだが、彼女は無言で僕を見上げていた。氷の色をした瞳しているせいだろう。
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