BGMその10『そして大いなる感動を君に伝えたい。』
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レビュー
時代を超えた手放せ無いマスターピース。もちろんこれは一種の暴言である。実に失礼とも無作法とも、何ともカンとも申上げようのない遺憾千万な言い草ではあるが、事実はどこまでも事実に相違ないのだから仕方がない。こうした観察点に立脚しなければ、精神に関する真の科学的研究がやって行けないのは、あたかも人間が一個の動物に過ぎないという見地に立脚しなければ、すべての医学の研究が遂げられないのと同じことなんだからやむをえない。もしまた、万が一にもという自信を持っているお方があったら、イツ何時でも吾輩のところへおいで下さいだ。そのお方は当大学の研究患者として、官費で入院さして上げる。ちょうどその式の患者が、学生の講義に必要なところだからね。
それだけ考えが足りなかったからだろうさ。
彼女は物憂げにテーブルから羊皮紙に書かれた書簡を取り上げると、少女に放ってよこした。
「芸者ならことによると僕の知っている女かも知れない」
すると思いがけない少女の方から。