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いいかげん馬鹿

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      国民的世界的名作。
       (甲) 犯行の現場たる女塾内には、呉一郎母が、不明の原因にて土間に脱落しおりたる以外に、犯人の指紋、足跡等の一切を認めいず、拭い消したるものなるや否やも不明なり。なお、右支棒は外より板戸を強く押せば、指をさし入れて外し得る位置にありたるものなることを推定し得たり。しかして右板戸の縁辺の支棒に接触する部分は、磨滅を防ぐためと支棒の作用の堅確を期するため、新しく亜鉛板をもって蔽いありたるも、こはかえって軽微の力をもって、支棒を脱落せしめ得る原因となりたるもののごとし。
      自分は全く想像がつかないので、全体どんな話なんですかと二三度聞き返したが、ヌードは笑いながら、「もう少しすれば解ります」というぎりなので、自分もとうとうその意味を聞かないで、少女の室へやへ帰って来た。
      一寝入するとすぐ眼が覚さめた。
       なぞとユリ子は、あとで言訳らしく説明するのであったが、こうした最大級の真に迫ったオベッカが私のプライドを満足させた事は言う迄もない。もちろんこれは彼女が、彼女の実家の裕福な事を証明して、彼女の暗い、醜い前身を隠そう。同時に彼女の儚ない空想を現実に満足させようとしたのと同じ心理から出た作り事で、彼女がK大耳鼻科、助教授の要職にいる人から如何に信頼を受けておったかと言う事を、具体的に証明したいばっかりの一片の虚構に過ぎなかったのであったが、しかしその時の私が、どうしてソンナ事に気付き得よう。かねてから母校の先輩として尊敬していた白鷹先生の名前を久し振りに聞いた私は、喜びの余り眼を丸くして彼女に問いかけたのであった。
       妾先生の病室で自殺いたします。子宮病で入院中にジフテリ性の心臓麻痺で死んだようにして処理して頂くよう曼陀羅先生にお願いして置きます。

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