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鹿鼎記(4)

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      時代を超えた手放せ無い逸品。
      夢の中の出来事は、その進行して行く移り変りの間に、非常に突飛な辻褄の合わないところがしばしば出て来る。否。そのような場合の方がズッと多いので、そんな超自然な景象、物体の不合理極まる活躍、転変が、すなわち夢であると考えた方が早い。にもかかわらず、その夢を見ているうちには、そうした超自然、不合理を怪しむ気がほとんど起らないばかりでなく、その出来事から受ける感じが、いつでも真剣、真面目で、現実もしくは現実以上に深刻痛切なものがあること。
      けれども待ち設けている当人はいつまで経たっても出て来る気色けしきはなかった。
       少女はいつでもこう云って看護婦に反問した。
       白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。
       彼女は仕方がないという風に肩を一つユスリ上げた。奇妙な、泣きたいような笑い顔をニッコリとして見せながら、

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