VISUAL WORKS2004?2006(期間限定)
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レビュー
毎日が思い出心のサプリメント。＝同＝ 妹千世子が家出の原因は刺繍と絵画の修業を目的とせるものにほかならざる旨、繰返して弁明せるも、前項の疑点と照合する時は、なお、別の意味をも含まれいるもののごとし。すなわち千世子は、姉と共に同家におりては、とうてい結婚の不可能なるべきを予感し、または他国において、呉家の血統を繋ぎ残すべく、姉との黙契の下に家出したるものにして、これあるがために、その行方捜索に対する姉の態度は、やや不熱心のきらいなきに非ざりしやの疑いを存する余地あり。かつ、同姉妹が二人共、女性としては珍しき気なる性格の所有者なる事実よりこれを推せば、両人の間にかかる黙契の成立し得べきことは想像に難からざること。
けれども一番しまいに。
自分は枕まくらを借りて、少女の隣の空室あきべやへ、昨夕ゆうべの睡眠不足を補いに入った。
という坊主の説教をそのままに、彼女は自分自身を陥れる、身の毛の辣つ地獄絵巻を、彼女自身に繰り拡げて行ったのであった。
しかし彼女に対する私達の驚異は、まだまだそれくらいの事では済まなかった。