ライヴ･アット･ザ･パラダイス
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レビュー
不朽の感動名作。ナアニヨタじゃないったら恐ろしく疑い深い読者だね君は虚だと思うならイツ何時でも本人に紹介してやるよ。スグこの向うの七号室にいるのだから訳はない。と呼ぶと、ビックリしたように振り返る横顔がタマラなく可愛いよ。
「それじゃ僕の都合の好いようにしよう」
僕のためにいて貰う必要はないから、どこかへ行くなら遠慮なく行ってくれ」と云い出した。
桜木町から二円を奮発した私が、内幸町の丸の内倶楽部へタクシーを乗り付けたのが午後の八時半頃であったろうか。実は女風情の言う通りになるのがこの際、少々業ではあったが、自動車に乗り込むと同時に気が変って、狭苦しい迷宮じみた下六番町あたりの暗闇を自動車でマゴマゴするよりも、解り易い丸の内倶楽部へアッサリと乗付けたい気持になったからであった。
と言ううちに時間が切れてしまった。私が受話器をかけると直ぐ横に彼女が立っていて、可愛らしく小首を傾げながら、