松竹新喜劇 藤山寛美 新・十八番箱 六
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レビュー
懐かしい感動レコード。
すなわち、いずれにしてもかように観察して来ると、普通人と狂人の区別がつけられないのは、刑務所の中にいる人間と、外を歩いている者との区別が付けられないのと同じことになって来るであろう。平ったく言えば赤い煉瓦に入る程度にまで露骨でない悪党と、キチガイとを一緒にしたものが、いわゆる、普通人もしくは紳士淑女ということになるであろう。
けれども彼の眼はその反対を語っていた。
自分はこう答えてしばらく黙っていた。
跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。
どうも驚いた。庚戌会と言えば謹厳な学術の報告会、兼、茶話会みたようなものと思ったが、なかなかどうしてエライ景気だわい。会費の十円の意味も読めるし、幹事の白鷹君の隅に置けない手腕のほども窺われる。こんな事なら鹿爪らしいフロック・コートなんか着て来るんじゃなかったと思ううちに待合室みたような部屋へ案内された。見ると周囲の上までも帽子と外套の推積で一パイである。かれこれ五、六十人分はあるだろう。大会だけによく集まったものだ。
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