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やりすぎコージー(4)

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      不朽の手放せ無いを。。
       あるいはまた、寝がけにと思って眼を閉じていると、その一念の官能的な刺激だけが眠り残っていて、彼女のところへ行きたくてたまらないのに、どうしても行けないじれったい気持ちを、夢として描き現わす。彼女の姿は美しい花とか、鳥とか、風景とかいうものによって象徴されつつ彼の前に笑み輝いているが、それを手に入れようとすると、いろいろな邪魔が出て来てなかなか近付けない。その細胞の記憶に残っている太古時代の天変地妖が、突然、眼の前に現われて来るかと思うと、祖先の原人が住んでいた地方の物凄い高山、断いになって目を醒ます。
      軽い患者はみな洗面所へ出て顔を洗った。
      彼はきまりきって、「御病人の御様子はどうです」と聞く。
       私は彼女に二十円の給料を払っていた。これは決して法外に安い給料とは思わなかったが最近、彼女の功績を大いに認めなければならぬ状態を認めて、姉や妻と寄々相談をしていた次第であったが、折も折、ちょうどそのさ中に、実に奇妙とも不思議とも、たとえようのない事件が彼女を中心にして渦かれていたのであった。
       さらに驚くべき事実は(実は当然の帰結かも知れないが)彼女のお蔭で私の患者がメキメキと激増した事であった。この点、私の開業は非常に恵まれていたと同時に、彼女姫草ユリ子と名のるマネキン兼マスコットに絶大の感謝を払わなければならなかった。受診に来る患者の甲乙丙丁が、何につけても姫草さん姫草さんと尋ね求める態度を見ると、ちょうど臼杵病院の中に姫草ユリ子が開業をしているようで、多少の自信を腕に持っている私も、彼女のこうした外交手腕に対しては大いに謙遜の必要を認めさせられていた次第であった。

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