ベイブ 都会へ行く
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レビュー
なつかしの暖かい秀作。そうした不可解な心理を包んだ黒怪人物彼女は、かくして間もなく、少女の胸腹部を、咽頭のところまで縫合わせ終りますと、最後にひときわ鋭い小型のメスを取上げて、四一四号の少女の顔面に立向いました。
それがまた看護婦としては特別器量きりょうが好いので、少女は時々不平な顔をして人を馬鹿にしているなどと云った。
看護婦は無言のまま室の外に出て行った。
と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。
妾が息を引き取りましたならば、眼を閉じて、口を塞ぎましたならば、今まで妾が見たり聞いたり致しました事実は皆、あとかたもないウソとなりまして、お二人の先生方は安心して貞淑な、お美しい奥様方と平和な御家庭を守ってお出でになれるだろうと思いますから。