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超こわい話シリーズ 稲川淳二の怨念劇場(2)

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      国民的暖かいレコード。
       それから、これは警察では言いませんでしたが、あの晩僕は夜中に目を醒ましました。こんなことは今までめったになかったのですから、話して疑われるとつまらないと思いましたから何だかわかりませんけれども、ゴトーンと大きな音がしたように思いましたから、フイと目を醒ましましたが、まっ暗でわかりませんので、寝しなに枕許に近づけておきましたこの電気を捻きの頭だけしか見えませんでした。僕はそれから、すぐに電燈を消して寝ましたが、母の顔はそれっきり見ません。
      彼はきまりきって、「御病人の御様子はどうです」と聞く。
      「二三日中うち是非伺います」という。
       と返事をしたが、恐らく甘く見られたと言ってもこの時ぐらい甘く見られた事はなかったろう。
       と彼女はイクラか不平そうに可愛い眉を顰めるのであった。こうした技巧と言ったら、それこそ独特の天才と言うべきものであったろう。実に真に迫ったものがあった。彼女と、彼女の創作した白鷹先生との親密さに就いて、微塵の疑いをさし挾む余地もないくらい真に迫ったものであった。

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