ハルキWebシネマVol.2 ネオホラーシリーズ
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レビュー
懐かしい手放せ無い名作。だからこの元始細胞の一粒一粒は、その環境の変化に応じてアラユル意識だの、感情だの、判断力だのを現わし得る、無限の霊能を持っていたものである。自分以外の無機物、有機物を同化して、自己を増大し分裂すると同時に、その分裂した近所合壁の細胞同士に、お互いの感覚や意識を反射交感させ合う霊能までも一緒に持っていたのだ。
そんなこんなで好く眠られなかった朝、もう看病は御免蒙ごめんこうむるという気で。
松だの石榴ざくろだのの盆栽が五六鉢はち並んでいる傍そばで、島田に結いった若い女が。
そう言って私は姫草ユリ子に頭を一つ下げた。
軽率な私は、この人物を新来の患者と思いましたので愛想よく立ち上りました。