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シルクロード(10)トルファン(吐魯番)と火焔山

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      サイケデリック夢だったマスターピース。
       今まで説明して来たところによって、既にアラカタ理解されているであろう。人間の代が変るのは、われわれが眠って、また醒めるようなものである。一夜眠ったら昨日のことなぞ、キレイに忘れていそうなものだが、サテ起き上ってみると、ほとんど無意識に、大工は昨日建てかけた家の続きを建てに行き、左官も同様に昨日の壁の続きを塗りに行く。そうするとまた、昨日のことを思い出してハテ昨日、ここで十銭玉をオッコトシタがとか、きのうのちょうど今時分に、向うを別嬪が通ったっけがとかいうので、昨日のその時分に、そこでそうした通りに、キョロキョロしたり、ポカンとなったりする。
      それで「僕の窓から首を出していたのは、君のような無意味な強情とは違う。
      自分は「あの女」を詳くわしく説明したけれども、つい芸者という言葉を使わなかったのである。
       彼女の言う白鷹先生というのは、彼女の識っている白鷹先生とは性質の違った白鷹先生であった。要するに彼女の機智が、私をモデルにして創作した私の機嫌を取るのに都合のいいように創作した一つの架空の人物に過ぎないのであった。しかもその架空の人物と彼女との親密さを私に信じさせる事によって、彼女自身の信用を高め、彼女の社会的な存在価値を安定させようと試みている一つのトリック人形でしか白鷹先生はあり得ないのであったが、軽率な私は、そのトリック式白鷹先生の存在を百二十パーセントに妄信させられていた私と同様な気軽な、茶目式の人物と思い込んでしまったために、こんな軽はずみな事を彼女に頼んだ次第であった。
       跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。

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