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迷子

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      不朽の思い出を。。
       これが脳髄の罪悪史の第一ページであった。
      すると病人はまだすやすや眠っていた。
      それで「僕の窓から首を出していたのは、君のような無意味な強情とは違う。
       そう言って私は姫草ユリ子に頭を一つ下げた。
       私は彼女に二十円の給料を払っていた。これは決して法外に安い給料とは思わなかったが最近、彼女の功績を大いに認めなければならぬ状態を認めて、姉や妻と寄々相談をしていた次第であったが、折も折、ちょうどそのさ中に、実に奇妙とも不思議とも、たとえようのない事件が彼女を中心にして渦かれていたのであった。

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