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TOKUMA Anime Collection「デジタル・デビル物語 女神転生」

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      なつかしの手放せ無いマスターピース。
       今まで説明して来たところによって、既にアラカタ理解されているであろう。人間の代が変るのは、われわれが眠って、また醒めるようなものである。一夜眠ったら昨日のことなぞ、キレイに忘れていそうなものだが、サテ起き上ってみると、ほとんど無意識に、大工は昨日建てかけた家の続きを建てに行き、左官も同様に昨日の壁の続きを塗りに行く。そうするとまた、昨日のことを思い出してハテ昨日、ここで十銭玉をオッコトシタがとか、きのうのちょうど今時分に、向うを別嬪が通ったっけがとかいうので、昨日のその時分に、そこでそうした通りに、キョロキョロしたり、ポカンとなったりする。
      自分は枕まくらを借りて、少女の隣の空室あきべやへ、昨夕ゆうべの睡眠不足を補いに入った。
       少女はいつでもこう云って看護婦に反問した。
       笑え私等のセンチの安価さを誰でもこの問答を一読しただけで、彼女の身元について幾多の矛盾した点や不安な点を発見するであろう。少なくとも一度、K大の耳鼻科に電話をかけて彼女の身元を幾分なりとも洗って見た上で雇い入れるのが常識的である事に気付くであろう。
       私はそうした彼女の顔立をタッタ一目見た瞬間に、彼女の小鼻に隆鼻術をやって見たくなったのであった。これくらいのパラフィンをあそこに注射すれば、これくらいの鼻にはなる。彼女の小鼻は鼻骨と密着していない、きわめて手術のし易いタチの小鼻であると思った。こうした一種の職業意識から来た愚かな魅惑が、彼女を雇い入れる決心をした私の心理の底に動いていた事も否定出来ない事実であった。

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