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ハチミツとクローバーII 第4巻(初回限定生産版)

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      なつかしの夢だった傑作。
       なおまた、このほかに、この少年の骨相の中には、見逃してはならぬ大切なものが残っております。それは一面に極めて楽天的な、呑気なところがありながら、チョットした刺激や、僅かな環境の変化にもすぐに感激昂奮して、あたりかまわず笑ったり、泣いたり、怒ったりする一口に申せば、極めて気の変り易い、フランス人みたいな性格を象徴している、純ラテン型の薄い腮を持っていることでありますが、しかし、この特徴も、この少年の平生の性格には、あまり現われていないようであります。やはり前に述べました極めて明晰な頭脳と、厭人的にハニカミがちな性格に押え付けられているらしく思われるのであります。とは申せ、随分と著しい特徴でありますから、この少年が解放治療場に参りましてから後の、長い長い心理遺伝の発作の途中、もしくはその回復期において、いつかはそうしたこの少年の腮の性格感傷的な、もしくは激情的な気質が、現われるに違いないであろうことを、彼女は楽しみにして待っておられた次第でございます。
      その一つの潜くぐりの外へ主人あるじらしい人が出て、如露じょうろで丹念たんねんに往来を濡ぬらしていた。
      自分はとうとう暑さに堪たえ切れないでまた少女の寝床の傍へ来て坐すわった。
       彼女は仕方がないという風に肩を一つユスリ上げた。奇妙な、泣きたいような笑い顔をニッコリとして見せながら、
       それはイツモの気軽い彼女には似合わない、妙にコダワッた薄暗い応対であった。しかし間もなく平生の無邪気な快活さを取り返した彼女は、さもさも嬉しそうにあたかも白鷹助教授と臼杵病院長を紹介する光栄を喜ぶかのようにピョンピョンと跳ね上りながら電話室へ走り込んで行った。

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