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愛するまで パーフェクトBOX(1)

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      時代を超えた心にしみるグループ。
       あの晩も別に変ったことはありませんでした。僕はいつもの通り九時頃に寝てしまいましたが、母がやすんだのは何時頃だったかおぼえていません。いつもの通りなら十一時頃に寝たのでしょう。
      一寝入するとすぐ眼が覚さめた。
      、門前の路みちが細く綺麗きれいに見えた。
       どうも驚いた。庚戌会と言えば謹厳な学術の報告会、兼、茶話会みたようなものと思ったが、なかなかどうしてエライ景気だわい。会費の十円の意味も読めるし、幹事の白鷹君の隅に置けない手腕のほども窺われる。こんな事なら鹿爪らしいフロック・コートなんか着て来るんじゃなかったと思ううちに待合室みたような部屋へ案内された。見ると周囲の上までも帽子と外套の推積で一パイである。かれこれ五、六十人分はあるだろう。大会だけによく集まったものだ。
       いつもの通り病院を仕舞った私は、雨上りの黄色い夕っていると、そのうちに黙って給仕をしていた妻の松子がフイッと大変な事を言い出した。

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